「それより、文化祭で歌ったボーカルの人は?」

その人、辞めちゃったの?と聞くとヨッシーが


「卒業で、いなくなった」とボソッと呟いた。

「ボーカル女の先輩だったんだけど。ヨッシー、その先輩の事、好きだったんだよ」

先輩が、コソコソ話で教えてくれた。


そっかぁ。だから簡単に認めてくれなかったんだ。ふーん。ヨッシーって意外と純粋だったりして。

シュンは、相変わらずマイペースで、あんま話さないけど、独特の存在感放っているし。

なんだか、楽しくなるかもしれない。


「とにかく、智樺がきょうから、うちの軽音部のボーカルだからな」


頑張っていこうな!と、あたしの肩をポンと叩く先輩。

「うん」


頑張ろう。この人達と一緒に、頑張っていこう。