だけど…そう簡単に壊すことなんてできないんだよ…!


「何も…何も知らないくせに…分かったようなこと言わないでよ!!」



思いっきり腹の底から大声で叫んだ。

「ずっと脳天気で笑ってばっかいるあんたに…あたしの何が分かるっていうのよ!?」



今まで抱えていた苦しみを、誰にも言えなかった心の苦しみを全部、まるで吐き出すように…


先輩にぶつけた…。


あんたなんかに…あんたなんかに…


「分かるわけないだろう。智樺の苦しみなんて。俺。お前じゃないもん。」


「えっ…?」


「だってさ、智樺の苦しみは、経験した本人しか分かんないじゃん。


何も分かんねぇ奴が、簡単に分かるなんて言ったら腹が立たないか?」


あたしの顔を覗きこむように言った。

確かに。先輩が言ってる事も…間違いじゃない。


表面だけで何もかも分かったと言われたら…それはそれで…腹が立つ。