「殻の中、閉じこもってるだろう。文化祭で歌いたくないのってだって。自分がなんて言われるか怖いからだろう」



先輩の言葉が、心に突き刺さった。今まで、あたしにそんな事をハッキリ言う人間はいなかった。

まるで、あたしの心を全部分かったような顔で。


あたしの奥に踏み込む人間はいなかったのに。



「あんたに…なにが分かるっていうのよ…」



悔しいけど…当たってる。先輩が言ってる事。

自分だって分かってるよ。


自分から作ってしまった殻を壊すのは、自分しかいないってことぐらい。


分かってるよ。