「藍、良い子にしてるのよ。迷惑掛けちゃダメよ!」

「お母さ~ん…」


何でよ!
何でこんなことに…


「じゃあ、行ってきまーす」

「うぅ…っ行ってらっしゃい」


力無く手を振り、
車が見えなくなるまでジーッと見る


「はぁ…っ」


行っちゃった…

てかさ、結婚記念日だからって私を置いて旅行に行く!?

しかも、その娘をあんなデビル野郎がいる家に預けるとか…


「おい」


来たよ。デビル…!

今日から、デビル…こと、遊佐 雪斗の家にお世話になります


「何?あ、荷物持ってくれるの!?ラッキー、んじゃよろしく~」

「…しめるぞ?」

「す、すいません」


いいじゃん!持ってくれたって!

むぅ…っと唇をとがらせ鞄を持ち上げる

お、重い…
要らないもの詰めこみ過ぎた


「行くぞ」


遊佐は私の持っていた鞄をヒョイッと持つと、ダルそうに歩き始めた


何だよ~。
持ってくれるんじゃん!