この一球に、俺の全てを乗せる。 俺だけで無く、部員や監督……。 そして、咲良の夢を乗せる。 “甲子園 出場” 長い間俺たちが見つづけた夢を、全てをこのボールに託すべく、強く握りしめた。 一球目 ストレート。 二球目 ストレート。 ここまで来たんだ、三球目は自(オノ)ずと決まってくる。 腕を構えて、大きく振りかぶる―――。 その時。 ダイヤモンドに、野球の女神が俺に味方してくれた。