咲良は、俺に“おめでとう”って言ってもらいたかったのか?


「うぅ……。 湊人のバカッ」


「はっ!? 意味わかんねーしっ」


「いいの! 湊人のバカバカッ」


ポカポカと俺を叩いて来た。


こうやってくるのは、照れ隠し―――。

そうわかっては、いるけど。



「咲良、マジ痛ーしっ」


マジで痛い。 俺って一応“彼氏”なのに、加減をしない。


「だったらさ―――」


「なに?」


「だったら……、毎年咲良の誕生日は“デート”するか」