「ァハハッ!もー、拓也くんってば、口が上手~ッ!」

「お世辞とかじゃないっすよ~!幸恵さん、また綺麗になったんじゃないっすかー?」








……お母さん。





まさか、友達と居るときに出くわすなんて思ってなかった。

呆然と立ち尽くしていると、佳織が声をかけてきた。

「…柚花?どしたの?」

『…あッ、いや、なんでもないよッ!』


…声が裏返った。


「どしたのぉ~?声、裏返っちゃってるしぃ~ッ。」


その時、二人の目にも母が映った。


「あははッ!!あぁゆぅオバサンいるよねぇッ!!!」

「あぁゆぅ人、痛いよねぇ~ッ!」

「歳考えろってーのッ!!!」

「ほんとぉ~ッ!おっかしぃ~ッ。」


――――逃げたい。

そこから消えてしまいたかった。

ギュゥッ…っと唇を噛み締めた。