”未完全”

 
[綾乃の心]


 
 <よかった、友達ができて、まさか、初日にできると

思わなかった。

有美香…かぁ…。

どうして、私に、声かけてきたのかな?

…まっ、いいか、これで、一人で、お弁当食べなくても済むし。>


 綾乃は、家に帰ってから、今日の学校の事を、考えていた。

多少緊張は、あったが、なかなか順調なスタートだった。


 有美香という友達ができた事に、ほっとしていた。

…嬉しいという感情より、ほっとしていたのだ。


 嬉しい?そういう感情は、どこか少し、

麻痺していた。

綾乃は、嬉しいという感情が、麻痺している……。