綾乃の母親は、もう帰ってくる事はなかった。
綾乃の遠足の日の昼頃、父親に電話が
あった。
「綾乃の事、お願いします」
それだけ言って、電話は切れた。
父親は、びっくりして、急いで家に帰ってきたのだが、
そこに、姿は、もうなかった…。
携帯も繋がらず…。
どうして、母親が、出て行ったのか、解らなかった。
ただ、綾乃は、…傷ついた…。
自分は、母親に捨てられたのだ…。
理由…そんなのわからないけど、
捨てられた事には、変わらない…。
ワクワクして行った遠足。
帰ってきたら、母親がいなくなってるなんて…
残酷な現実が待っていた。


