”未完全”


 綾乃が、小学一年生の時だった。

あの日は、初めての遠足。

母親が、作ってくれたお弁当を持って、

わくわくして、遠足に行った。

場所は、貝殻公園。

学校から、一時間位歩いた場所だった。

そこは、広い公園で、貝殻でお家とか、

テーブルとか、イスとかが、いろいろ作ってあった。

もちろん、貝殻を、表面にいっぱいつけて、

作ってあるのだが、とても素敵だった。

貝殻は、光で、いろいろな色に反射し、又は、

とても、綺麗な色をつけられていた。

とても、眩しく輝いて、見えた。

お弁当の時間は、またすごく楽しかった。

みんなと、おかずを交換したり、

綾乃は、彩り綺麗に作ってくれた、

母親のお弁当に満足していた。

みんなが、

 「綾乃ちゃんのお弁当、可愛いね、美味しそうだね。」

とか言ってくれるのが、嬉しかった。

ちょっと、自慢だった。