姫サロンへようこそ




伝えようと思った。
だけど思い出してしまったの。
あの時、私は大好きな父さんに口止めをされた。



「このことは誰にも言ってはいけないよ。
たとえここにいる本人にも」


言えなかった。


言ってしまったら父さんがもう目覚めないような気がして・・


13年前のあの儀式の後父さんが倒れた。

一命は取り留めたもののまだ目を覚まさない。


あの儀式が何を表すか私にはわからない。

けれど、
たくさんの人を悲しませてる。

あの後、姫さんは壊れるように泣いたし

本人は一族からかなりの軽蔑を受けたようだ。
その証拠に悲しそうな瞳はうっすらと濡れている。