こんな会話をしているとき、視線に気付いていなかった俺は相当馬鹿だ。




一人は麗さん。


困ったように俺と姫里ちゃんを交互に見つめていた。




もう一人は衣装部屋を案内していた純。


眉を寄せ、苦しそうな表情。





気がつかなかったでは許されない。




”貴方はこの暗闇から逃げられない。



そうでしょう?


朝日君。

貴方は私から夫を奪った罪人”



あの人の……。
姫さんの声が、


頭の中に酷く響いた。