彼蜜sweet【完】




ベルトを締め、綾乃が見たくて。




喧嘩しなかったぞ って笑いたくて…必死で走った。





気付いたら…西校舎まで来てたんだ。






でもそこで見たのは、俺が望む綾乃じゃなかった。




これっぽっちも望むものじゃなかった。





泣き崩れる綾乃の姿があったんだから。




しかも、その先には俺がさっきまで居た屋上のドアがあったんだから。





吹き抜けた屋上への階段は西校舎のある角度から丸見えになる。




そこに俺は、たまたま居合わせた。