綾乃
好きだ。
もしこれが夢なら…俺泣いて喜ぶよ。
もしこれが夢なら、お前をかっさらってここから逃げ出してもいい。
ただそれだけの儚い恋も叶わないなんて
酷すぎる。
平凡に、好きな女1人守れなくて
触れたいのに触れられなくて。
かっこ悪いばかり。
女は恋をすると綺麗になるっていうけど…
男はまるでダメだな…。
沼にはまるように落ちて行く。
俺を夢中にさせといて、最後の仕打ちはこれかよ…。
マジカッコつかねぇな…。
おぼつかない足取りで、下駄箱に向かった。
全ては
終わりの始まりの幕を開くために。

