後戻りはできないのに…動けないのはどうして? 後ろにも前にも動けないの。 こんなの…やだよぉ…。 ずっと止まらない涙を制服の裾で拭う。 ショウくんなら? 東なら? どっちなら私を泣かせないでくれるの? こんな弱い自分は嫌いなの。 甘い声がまた、ぽつん…ぽつんと募っている。 聞きたくない 聞きたくない…!! 耳を押さえて座り込んだ。 やけに冷たい地べたが氷に触れたような感覚にさらした。