「ンッ…ひがしくっんッ…」 !!! 甘い声が聞こえる。 どうしよう…。 ドアノブを引く手前、手が差し掛かっている状態での不安がさらに膨らむ。 後戻りはできない。 「……ック…ヒック…」 ドアノブを持ったまま、しゃくりあげる私。 …かっこわるいなぁ…。 自然と溢れる涙がヒタヒタと音をあげる。 何事にもめげず これが空手での目標だった。いつからこんな弱くなったんだろう?? 「東のッば―――か…ック…」