「最近、遊んでくれないから寂しかったの」




「あぁ…すんません」




「だ―ってあの子がちょろちょろしてウザいんだもん」





あの子?




「今日はどこでャるのぉ?」




茶色のウェーブヘアが妙に似合うこの女。ローズの香水の香りがしたら近くにコイツが必ずいる。




「…屋上でもどうすか?」



「寒ぅ………」



「行きましょうか」




今はそんな気分じゃねえのに。



今すぐにアイツんとこ飛んでいってごめんって言いたいのに。



言うこととかやることすげーあるのに。





ガチャ・・・




「やっぱり寒いじゃんッ」




「すぐ温まりますって…」




深いキスを落とす。喧嘩上等、女は大歓迎。



少し前までそうだった俺の記憶はもう鍵がかかっている。