彼蜜sweet【完】



ショウ君は全く気付いてくれない。むしろ、私が急かしたみたいで。



早歩きになった。




だめ



そっちに行っちゃいけない








でももう遅かった。気付けば曲がり角。




大きく心臓がなった。目の前には見慣れた茶色いサラサラの髪の毛と長身の男の子の姿。






「…あっ…!」






思わず声がもれてしまった。だって、目の前に居たのは、今一番会いたくなかった人に会っちゃったんだから。





…東 大和…――――。





「あ――ぁ、面倒な場面に来たね…大和」




それを煽る様にショウ君が追い討ちをかける。…お願い、やめて…。




「…っ…るせぇよ」




冷めた顔。初めて会ったときの顔。喧嘩早くて、弱い者は切り捨てる冷酷な人間の顔。



あぁ…いつかにテレビで見たドラマみたい。




「黙って帰れば良かったのに」




しょうく…。声を出していたはずが届かない。聞こえてない。



…しばらくの沈黙が不安を大きくさせる。



何か喋って…!




「俺の女だろ、ソイツ」



…!


言われて嬉しいはずの言葉が妙に腹が立った。どうして…。



「今更、綾乃ちゃんの彼氏気取り?…ハッ…笑わせんな」




「あぁ ?」