彼蜜sweet【完】



苛々通り越して、爆発寸前。




「情けない奴。俺さ?ずっと前から思ってたんだけど」



聞きたくねえよ。



握り締めた拳が痛む。




「女とっかえひっかえする度に、その女共が泣いてるの知ってた?」




「…人の事なんて…―――」




すぅっと大きく息を吸う音が聞こえた。



それと同時に俺の胸倉ががっしりと掴まれる。



一瞬だった。








「そんなだからお前は平気でこの子も泣かせるんだろ?!!!!今まで泣かせてきて気付かないあげく


まだやるのかよ!!!俺はずっとお前のそーゆーとこが嫌いだったんだよ!!」




もう…感情の一文字もなくなっていた俺は冷たく言い放った。


それが



『あの』トラブルに発展するなんて知らずに。





「俺は好きな時に好きなことをやる。お前にもその他のバカどもに立ち入られたくないんだよ」




言い放って一呼吸置いて気付いた。