彼蜜sweet【完】


☆大和side




「マジ…大丈夫かよ…?」



トイレにしちゃぁ遅すぎる。もうかれこれ、10分かかってるぞ??



もしかして…



もしかしなくても…アイツはそこで泣いてる…?



1人で怯えて?



「あっりえねぇ…!」



教室の壁を殴りたい気持ちを抑えて、冷静を装って教室を出た。



さっきからずっとその張り紙の字に見覚えがあって、考えてたんだけど…。



わかんね――。



第一、俺は探偵じゃねぇし!(張り紙した奴はムカつくけど!)



走って出て行く俺をミーハーな女子が騒ぎながら見つめている。



…そろそろ黙れ。



「…トイレっつったって…どこの…―――?」



しかも、中入れねぇし!(バカ)や、当たり前なんだけど。



教室からすぐのトイレをぶち当たってみようと全力、猛ダッシュ。



なんでこの俺がっ…あんなバカ女の心配なんかっ…!