「好きだったんだ。ずっと昔から。......そして、お前がお兄さんを好きだったのも、お兄さんがお前の事を好きだったのも知っていた。」



えっ?
お兄ちゃんが
私を好き......?



「冗談でしょう?」

私は聞いてみる。

でも、和哉は全く顔色を変えずに

「冗談じゃねぇよ。あの人もお前の事が好きだった。」



嘘......

「だって、お兄ちゃんはあの日、兄に恋するのはおかしいって......」

「お前を愛するがゆえに、そう言うしかなかったんだろ?あの人は悔やんでるんだ。それが、お前との最後の会話になった事を......そして、自分だけ幸せになれないって気付いて、自ら命を絶とうとしたんだろう。」

......

そうだったの?
お兄ちゃん......

それなのに
私は
自分勝手に嫉妬して
二人を傷付けた......