こういった経緯で俺はめでたくオカルト研究部の一員となったのだった。
とは言うものの、サークルメンバーは俺とガクの他に、ガクの友人でアイという女性、計三人。
普段は特に目立った活動はせず、時々心霊スポットに行ったりネットで知り合ったオカルトマニアと騒いだりと、非常に適当なサークルである。
それでも俺は良かった。
アイという女性がたまらなく魅力的だったからだ。
ガクの友達というからどんな霊感女かと思いきや、至って普通の人だったので残念なような安心したような複雑な気持ちだった。
学年は一つ上だが、同い年ということですぐに打ち解けた。
既に彼氏がいることを聞いて絶望したけれど、アイさんが男が好きならばもとより俺に勝算はないので、きっぱり諦められた。
久しぶりの恋愛感情の波は意外と心地よかった。
しかしこれから先、自分の恋愛が成就するものだろうかと不安を抱えていた面もあったのだ。
「染色体レベルでは、お前は男なんかも知れん」
5年前の8月頃にはもう、サークルメンバー及びネット友達は俺がレズビアンだということを知っていた。
さっきの発言は、ネット友達の「ニューロン」のものだ。
なかなか博識だがネット上ではそれが一部の人間の鼻につくらしく、たまたまその時神経に関するレスをしていた彼に「ニューロン」と呼び名をつけたのだった。
それ以来彼はハンドルネームを「ニューロン」に改めた。嫌味でつけられた名前が気に入ったらしい。
人あたりの良い彼だが何故かガクとは馬が合わなかった。
喧嘩ばかりしているのを、アイさんはオロオロしながら、俺はニヤニヤしながらいつも眺めている。
とは言うものの、サークルメンバーは俺とガクの他に、ガクの友人でアイという女性、計三人。
普段は特に目立った活動はせず、時々心霊スポットに行ったりネットで知り合ったオカルトマニアと騒いだりと、非常に適当なサークルである。
それでも俺は良かった。
アイという女性がたまらなく魅力的だったからだ。
ガクの友達というからどんな霊感女かと思いきや、至って普通の人だったので残念なような安心したような複雑な気持ちだった。
学年は一つ上だが、同い年ということですぐに打ち解けた。
既に彼氏がいることを聞いて絶望したけれど、アイさんが男が好きならばもとより俺に勝算はないので、きっぱり諦められた。
久しぶりの恋愛感情の波は意外と心地よかった。
しかしこれから先、自分の恋愛が成就するものだろうかと不安を抱えていた面もあったのだ。
「染色体レベルでは、お前は男なんかも知れん」
5年前の8月頃にはもう、サークルメンバー及びネット友達は俺がレズビアンだということを知っていた。
さっきの発言は、ネット友達の「ニューロン」のものだ。
なかなか博識だがネット上ではそれが一部の人間の鼻につくらしく、たまたまその時神経に関するレスをしていた彼に「ニューロン」と呼び名をつけたのだった。
それ以来彼はハンドルネームを「ニューロン」に改めた。嫌味でつけられた名前が気に入ったらしい。
人あたりの良い彼だが何故かガクとは馬が合わなかった。
喧嘩ばかりしているのを、アイさんはオロオロしながら、俺はニヤニヤしながらいつも眺めている。
