アイさんは車に乗っている間、俺達の喧嘩を止める以外にほとんど言葉を発しない。
頭を左側の窓にくっつけて、じっとしていた。
こうしないと落ち着かないのだと。
俺はいつも隣に座り、端正な横顔を見るのが好きだった。
なんどとなくガクを変態よばわりしているが、俺も大概変態だと思う。
途中ぽつんと申し訳なさそうに存在していたコンビニで飲み物や懐中電灯の予備の電池を買った。
いつの間にか立ち読みを始めたアイさんをやっとのことで本棚の前からひっぺがし、再び出発。
ところが途中で道に迷ってしまい、結局そこに着いた時はすでに八時をまわっていたと記憶している。
もちろん、辿り着くまで何度か乱闘が勃発したのは言うまでもない。
ともあれ、俺達は「ディーヴァの薔薇の館」を目の前にすることができた。
「ここが…」
「でっけー」
私の家の何倍あるのかな?とアイさんが目を丸くしていた。
家を囲む柵には、これでもかというほどたくさんの薔薇が狂ったように絡み付いていた。
懐中電灯を向けてみる。
全部が全部真っ赤だ。
昔やったホラーゲームを思い出し、肌が粟立った。
「さて、さっそく侵入するか」
雲行の怪しい空を見上げながらガクがテキパキ言う。
頭を左側の窓にくっつけて、じっとしていた。
こうしないと落ち着かないのだと。
俺はいつも隣に座り、端正な横顔を見るのが好きだった。
なんどとなくガクを変態よばわりしているが、俺も大概変態だと思う。
途中ぽつんと申し訳なさそうに存在していたコンビニで飲み物や懐中電灯の予備の電池を買った。
いつの間にか立ち読みを始めたアイさんをやっとのことで本棚の前からひっぺがし、再び出発。
ところが途中で道に迷ってしまい、結局そこに着いた時はすでに八時をまわっていたと記憶している。
もちろん、辿り着くまで何度か乱闘が勃発したのは言うまでもない。
ともあれ、俺達は「ディーヴァの薔薇の館」を目の前にすることができた。
「ここが…」
「でっけー」
私の家の何倍あるのかな?とアイさんが目を丸くしていた。
家を囲む柵には、これでもかというほどたくさんの薔薇が狂ったように絡み付いていた。
懐中電灯を向けてみる。
全部が全部真っ赤だ。
昔やったホラーゲームを思い出し、肌が粟立った。
「さて、さっそく侵入するか」
雲行の怪しい空を見上げながらガクがテキパキ言う。
