淳はすぐに返信が出来ないでいた…。


またさくらからメールが来た。


「これもまたさくらの人生なんよ…。家族や友達、誰にも言わずに戦ってるんよ。淳はきっと離れた場所に居るから言ってしまったのかも…。ほんの少しの段差で、人間てこんなになるんやなぁ…。まさか自分が…なんて想像もつかへんかった。まぁ、なってしまったもんはしょうがない。人に言った所で理解は難しいやろし、言うつもりも無いけど。ただ無意識に死んでしまうのだけは嫌や…。朝起きた時は、生きてたって思うだけで幸せ。文章まともに打つのも、そろそろ限界や〜おやすみ。」


その日のさくらのメールは、それで終わった…。


さくら…5年前も感じた。


妻子持ちの俺が、言えた義理じゃないってわかってる…。


あの日のように、答えになっていないかもしれない。

全部叶えてやる事は出来ない…。


全部の傷を治してやる事も出来ない…。


それでも今の俺は何も出来ないのか?って考えてしまった…。