「薬中女はそろそろ薬が効いてきたから寝るよ〜。夜中にな、無意識に起きてメールや電話をしてたり、台所にもお茶を飲んだりした形跡があるね…。毎日朝起きてゾッとするわ(笑)」

「相手にしたら、酔っぱらってるのか?って感じやろけど…。酔っぱらってて、昨日はごめ〜ん、なんて言葉がいつまで通じるんやろ…。だんだん馬鹿になって行く自分が怖いわ…。」


さくらは翌朝、無意識に携帯をいじっていたか…必ずチェックするのが日課になっていた。


毎回無意識に送っているメールを目にする…。


自分じゃない…。


気持ち悪くてすぐに消去する…。


でも理解不能のメールを、1度淳に転送してみた…。


淳はそのメールをじっくり見た。


凄いの一言……。


句読点も適当。誤字脱字だらけ。改行は全くない。ダラダラした文字が並んでいるだけの、読みにくい500文字を超えるメール…。


酔っぱらってもこんな内容は書かない…。


でもなんとなく、キーワードが入っている感じ…。

当日や前日に感じた事を、書いているのに違いないって思った。


俺の名前…メールで送ったミスチルの歌…。


何度も同じ名前が繰り返し書かれていたり、感情も思いきり出ている。


文句と自分が悪い…もう一人のさくら…。


溜め込んでいるものを、吐き出したメールにも思えた…。


夜中に動き出したり、誰かにメールをしている…。

笑い事でない。


酔ってるで済めばいいけど、こんなメールが何度も送られて来たら、秘密にしている病気…。色んな人に知れ渡り、問題が大きくなる可能性もある。


さくらには、「俺にはいくら送ってもいい。だから他には送るな。」


そんなメールを送った。


だけどさくらからの返事は、「いつ誰に送ってるかもわからんのよ…淳だけに送るって意識はできひん…。意識があれば、こんなメール誰にも送らへんよ…。」


なんで……。


なんでこんな事になってしまったんだ……。


悔しい思いで、いっぱいになった…。