特にこれといった会話もなく、ブラブラとホテルの廊下を歩き、駅ビルを歩き、また伊勢丹へ戻って来た。

やっぱりその間も淳の歩くスピードは早かった。

人混みの中、必死で付いて行った。


後ろから見る淳の姿…。

車の中も緊張して横を向いて話せなかった…。


食事の時も会話も覚えてないぐらい緊張していた…当然顔もまともに見れなかった…。


今も見ているのは淳の後ろ姿…。


チャット画面では何度も顔は見ているのに、実在する淳には慣れなかった。


それと、こんなに緊張している自分がいる事にもビックリ!?


男の人とのデートなんて、今までなんて事なかったのに…。


出会いがチャットだから緊張しているのかなぁ〜なんて淳の後ろ姿を見ながら考えていた…。


そんな時に淳が振り返って話して来た。


「遅くなったけど、誕生日プレゼント選ぼうよ」


前にチャットで誕生日が6月って話した事があった。でも、何気ない会話の一つだったのに…。


今は8月!


覚えててくれた淳…。


それだけで嬉しかった…。