淳は浮気なのか?って考えている頃…さくらは反対に自分の望んでいた流れに心がはずんでいた。


チャットの相手とみんなこんな関係を望んでいるんじゃない…。


ホントの名前を言ったのも初めてだった…。名前を教えて少し気が楽になった。何故か淳との距離感を縮めたくてしょうがなかった。

違う人なら絶対「なお」のままで通してたと思う…。


夜のチャットに関係なく、淳は頻繁に携帯にメールを送ってくるようになった。


淳もある意味この出会いに病みつきになっていた。

さくらも自然と近づく距離に幸せを感じ初めていた。

実際どこまでがホントの事なんてわからないけど、淳の話す事は全てがホントの事って確信も持っていた。

そのうち携帯メールから、携帯で直接話をするようにもなって来た。


淳の仕事はよく知らないけど、出張が多い仕事!

それだけはわかった…。

たまにする長電話…。


さくらからすると、淳は凄く知的で、話す内容も今までさくらの周りには居ないタイプの人間…。


ちょっとした会話が始まると淳はその単純な会話もいつの間にか、哲学的な内容に変わって、どんどん知らない世界へさくらを連れて行ってくれた。


気が付くと、「もぉ、こんな時間になってたね。さくら早く寝ろよ。」


「こんなに話してたんや…今日は寝る〜」


なんて、お互いがビックリするぐらい時間の経つスピードに毎回驚いていた…。


さくらも今まで自分の周りには居ないタイプの淳に対して、どんどん暴走する自分がいるのに気付いて来た…。


そのうち自分からもメールをするようになった。