「ことね〜?ちょっとお母さん買い物行ってくるから〜」



2階で本を読んでたら、ふいに響いてきたお母さんの声。



「お店よろしくね〜?」



私は本を閉じて



『ん。わかった〜』



いつも通りに答えた。



カランカランカラン〜♪



お店のドアが開く音がする。午後4時。外はまだまだ明るい。



今日の夕飯何かな。







一回はお母さんが趣味でやってるお店になってる。アンティークな感じの物が並ぶお店。ちょっとしたカフェもやってる。



小さいけど、結構お客さんは来る方…だと思う。





いつもみたいにレジ台に座ると、あの日の桜の写真が飾ってあった。



お父さん、まだ5日しか経ってないのにもう焼いたんだ。



そんなことと同時にあの私の寝顔が浮かぶけど、もうあまり気にしなくなっていた。





だって誰か他の人が他のカメラで撮ってたなら本当に気味悪いけど、私のカメラなんだもん。



そんなの撮ったって意味ないんだから、きっといたずら。そう思った。







カランカラン〜♪



『あ、いらっしゃいませ。』

「ほら見て〜!この前見つけたんだけどさ、すごい可愛くない?」

「あ〜本当だね〜!全部欲しくなっちゃう〜!」



大学生かな。二人とも綺麗だった。こんなテンションで女の子らしくなれたら、可愛いんだろうな。





「ほら!あの小さいテーブルでお茶できるんだよ〜!」

「や〜可愛い〜!」

「あの、アイスティーいいですか?」

『あ、』

「あ、私もお願いしま〜す。」

『はい。』



いきなり話しかけられたからちょっとびっくりしたけど。



『SサイズMサイズがございますが、』

「じゃあSで♪」

「私M♪」

『かしこまりました。』



なんとか言えた。