「嘘だ……嘘でしょ…?」


「美祢ちゃん…っ」


あたしを強く抱きしめるのは、紘斗のお母さん。


何で?

何で泣いてるの?


これは悪い夢…?




「紘斗?ひろ…と?」


何度名前を読んでも、全く笑わない。

あなたは本当に紘斗なの?


「何で?え?紘斗は…?」


頭が真っ白というよりは、真っ暗。

見えてるもの全て、嘘だとしか思えない。


「……紘斗は…もう」


紘斗のお父さんまで、どうしてそんなに真っ赤な目をしてるの?




いつだったか紘斗が言ってた。

人間は簡単に死ぬんだって。