「過去は無理でも、美祢の未来は俺でいっぱいにしたい…」


偽りのない真っ直ぐな言葉に、また胸がトクンと波打つ。

紘斗との未来…。


「……うん、あたしも」


頷いたあたしに、うれしそうに微笑んだ紘斗。


ふわっと甘い香りがして、ギュッと抱きしめられる。


ずーっとこうしていられたら、どんなに幸せなんだろう…。




何度も角度を変えて重なる唇。

軽いキスから、段々とむさぼるような激しいキスに変わる。


お互いの荒い吐息も気にならない程、夢中で求め合った。

たまに漏れる甘い声は、あたしの芯に優しく染み込む。


紘斗の額に浮かぶ汗と…意外と筋肉質な腕に、男らしさを感じた。


「好きだよ…」


この日あたしたちは初めて、静かに結ばれた…。

それはすごく、素敵な一時だった。