「ヤバイ!!あと何分!?」


「えーっと…あ!!もう一分切ってる!!」


一年最後の日、最後の瞬間…あたしと紘斗は走っていた。


年越しは一緒にしようと約束し、待ち合わせも早目にした。

けれど二人でいると時間さえも気にならなくて、こうしてギリギリになって神社へ向かってるってわけ。


「5…4…3…」


周りの人たちが、カウントダウンを始めた。




「うっしゃ、間に合っ…」


「0!!おめでとー♪」


カウントダウンはみんなで神社でしたいって、紘斗は言ってたのに。


「うぇ!?もう年明けた!?」


神社に到着した瞬間、どうやらカウントダウンは終わったようだった。


「嘘!?ショック!!」


少しオーバーかと思う程肩を落とし、ヘコむ紘斗。

そんな姿がかわいくて、おかしくて…あたしはつい笑ってしまう。