「太るぞ?」


デザートまで完食しようとしてるあたしに、皮肉っぽく言う紘斗。


「今幸せだから、太ってもいい!!」


つい出た本音に、紘斗は笑ってくれた。


紘斗の笑顔は…彼女が亡くなる前のように、キラキラ輝くようになった。

それでも紘斗が、彼女のことを忘れるわけなんてない。




その証拠に……


「色また抜いたの?」


最近は髪も伸びて、根元の黒が目立つようになってた。

でも今日の紘斗は、根元まで綺麗な金髪。


「そー。中途半端だったしな」


紘斗の金髪は、きっと彼女への愛の証。

またブリーチしたのなら、彼女への気持ちも延長されたんだろう…。


紘斗にも彼女にも悪いけど……

あたしにはその金髪は痛過ぎる。


膨らみ過ぎたこの気持ちは、もういつ爆発してもおかしくない…。

あたしは、どうすればいいの?