「いらっしゃいませー!!二名様ですね?」


夕方に駅で待ち合わせをして、話をしながらゆっくり歩いてここまできた。


「でもクリスマスを無事に迎えられて、本当によかった!!」


座るなり、笑顔ではしゃぐ紘斗。

教えた側としても、すごくホッとした。


「お礼に今日はおごるから。このコースでいい?」


メニューを指差し、テキパキ注文もしてくれた。




高校生のあたしたちは場違いじゃないかと思うほど、大人な雰囲気のお店。

クリスマスのディナーを満喫してるカップルが、他にたくさんいる。


「緊張してんの?」


落ち着きのないあたしを見て、軽く微笑む紘斗。


「……紘斗はいつも通り?」


こんなこと聞いたら、バカにしたように笑われると思った。

でも……


「全然。ドキドキしてる」