時計の針が夜の9時をさす頃…

ジリリリリリ…………!!

校内にサイレンが鳴り響いた――






それからは全てが一瞬に

何が起こったのかわからなかった

爆発音と叫び声が酷くなっていく

目に見えるものは焼けこげ

形を失ったモノばかり

今どこにいるのでさえ

わからなかった

わかる事は、ただ一つ

体中にきしむような痛み

体の全てに圧力がかかってて

背中には両肩に痛みを感じた

それが人だって気付くのに

さほど時間はかからなかった

するとそれはゆっくりと倒れていった

にぶい音をたてて

あたしの膝に

そこで初めて

それが誰なのかわかった

涙を流した

心が、…痛かった


「…は!」


また…同じ夢

だいたい一週間ぐらい前から、同じ夢を見続けている

おかげで最近寝不足続きで…

あまりにリアル過ぎてなのか、とても恐ろしくて寝るのが恐くなるくらいだ


……。

……ヤバ、なんかまた怖くなって来た!!


何か気をまぎらわすのに最適な物はないか探しているうちに……気付いたときには隣部屋のソラの部屋の前にいた。


扉を少し開けてから、中を覗くとソラがいた。
机ではなくソファーの上に。


「あの…」


声をかけながら部屋へと入るが返事がなかった。


「寝てるの…?」


その通りだった。
目を瞑り寝息を立てていた。

なんて無防備な姿――

身を屈(カガ)めると、いつもは吸い込まれそうな瞳が、今は静かに閉じられている。

かすかに寝息が聞こえる…


「ねぇ…眼を開けて…」


お願い、起きて…。