空が、黒い。 灰色の雲から小さな雨粒が落ち、足元のアスファルトを濡らしていく。 それを避けるようにして歩きながら、手に持った傘をくるりと回した。 目の前には学校が見えてくる。 少し早足で校舎へ向かい、建物に入ったと同時に階段を駆けのぼった。 3階の1番奥にある教室、そこには《ボランティア部》と書かれたプレートがぶら下がっている。 息を乱しながら扉に手を掛け、ゆっくりと開けた。