翌日、澄空(ソラ)は来なかった。

少し寂しかったけど…
でも、しょうがないもん!!
ソラが悪いんだもんねッ!

はぁ…とため息ついて…
ふと、すぐ近くにある窓に目を向けた。

外側に開けるその窓は、ソラとの思い出の場所でもある。

それは幼い頃、この窓を覗けば、いつもソラが手を振っているのが見えたから。

けど、ある日突然、いなくなった。

初めは信じられなかった…

かといって、彼の家は初めからなかった知らないから、どうすることもできなかった

だけど…――

ベッドから起き上がって、机の引き出しを開けた。その中に、鍵がかけられた箱を見つける。それは、ソラがいなくなったその日に封印したもので、それからずっと、開けた事がなかった。

そして今、十年ぶりに開けた

その中には…


―――これ、二つあるんだ。だから、心優(ミユ)にやるよ



照れ隠ししながら渡されたそれは、金色に光る十字架がついている首飾りだった。

だけど、今になってそれが、実は魔よけの物だったことに気付いた。

自分が魔よけとして霊気を込めたとか言って笑ってたから、てっきり嘘だと思ってたけど…。

それにはかすかに霊気を感じた。


「…あれ?そういえば、その次の日道ばたに倒れてたんだっけ」


首飾りを貰ったその次の日に、あたしはソラがいるかと、自室の窓を開けたんだ。

いつもならいるはずの時間なのに。

そこにはソラの姿はなかった。

気になって外にでて―――

それからの記憶がなかった。

気付いたら、ソラがいつも立っている場所に、倒れてた

目を覚ました後、ソラの姿を探したけど…――


「あの時からなんだよね…ソラがいなくなったの」


どうして何も言わずに行っちゃったのかな?

気を失った事に、何か関係してるのかな?

今すぐ聞きたい、けど…


「あんなこと言ったから、自分から会いになんか行けないしなぁ…」



――あんたが反省したら、その時来て



「言った自分が、どうしてこんなに落ち込んでるんだろ…」