あたしはごくごく普通の女子高生。
普通に学校にも行くし、
友達と遊びに行けば、買い物したり美味(オイ)しいケーキとかお菓子とか見つければ飛び込んで行くし、
用事が終われば家に帰って親と残りの時間を過ごして一日を終える。
そんなある日、16歳の誕生日がやってきた。
いつもなら喜ぶべきところだけど、今回ばかりは少し違った。
両親が心配そうな顔して、声をかけてくる。
「心優(ミユ)、あのね…」
「知ってるよ。あたしは大丈夫っ」
「そうだけど…ホントに気をつけてね?」
「わかってるって!」
両親が何を心配してる事なんか、聞かなくたってわかる。
それは、この町に残る昔からの言い伝え。
ここは人間とヴァンパイアが共存する世界。平穏と呼ばれている世の中の裏では、謎の事件が多発していた・・・。
それは、16歳の誕生日を迎えたその日を境にさまざまな吸血鬼から 狙われるようになってしまうというものだった。
確かに怖いけど…
噂によれば、すごいカッコイイらしいんだよね
期待半分、来るかなという、小さな期待もどこかにあった。
そして翌日…
ピンポーン
チャイムがなる
父さんは仕事、母さんは買い出しに行っていて家にはいない
あたしは基本的に、こういう訪問にはでない主義なんだよね…
理由はもちろん、めんどくさいから
…けど…
よりにもよって、こんな時に…
出るのを少しためらった、けどしかたない
(あたしが出るしかないか…)
もし急用だとして、それで出なかったら…
まず最初にあたしが怒られるのは目に見えてる
めんどくさくて〜なんて言ったらそれこそ…
ピンポ―ン
…またチャイムが…
あぁ…もう!しょうがないなぁ!!
「はーい、ちょっと待ってくださ―い」
ガチャ…
ぐいっ…
―――え?
「…ッ…ん!」