あれから何年が過ぎたのだろう


指を折り考えてみるが、途中で嫌になってやめた


毎年春になると同じ思考を巡らせる自分にも嫌気が指す


いい加減前に進まなければと思うのに、彼の存在が私の中から消えてくれる事はない


まったく、厄介な思い出だ


「彼氏?いないよそんなもん」


ティータイムに入ったカフェでの会話中に、そう答えた私を友人は笑った


そんなもん、が面白かったらしい


ちなみに彼女は現在彼氏と絶賛喧嘩中だそうだ


「好きな人は、いるんでしょ?」


再び問われ、頭に浮かんだ彼の顔


私は首を横に振ってそれを消そうとする


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