『おっ!佐原と木田は友達か!』

「そうです!」
「違います!」

『佐原は違うで木田は友達か!どっちがホントなんだぁ〜?』

「私が本当です!」
「俺がホントです!」

『う〜ん?まぁ息もピッタリだし友達ってことで、木田、お前は佐原の隣だ。わからない事は全て佐原にきけ!』

「ちょっ……嫌です!」

「隣よろしくね☆」

あっというまに話はついた。結局明日香の意見などスルーされてしまった。
でも“ほのかちゃん”は明日香と近くてラッキー、なんてのんきな事を言っていた。

そんなこんなしているうちに学活の授業は終わった。

―10分休み

「おぃ!佐原表でろ!」

「えっ…なんで?」

「なんでもくそもねぇよ!木田君を独り占めしやがって!調子こいてんじゃねぇっ!」

「私……そんなつもりはまったくなくて………その」
バンッ

机を誰かが叩いた。

「いい加減にしなよ!明日香が困ってるでしょ!?」
「うっせぇよ!岩本!てめぇはひっこんでろ!」

「あっ…………あの……」
「明日香もさぁ、嫌だってハッキリ言いなよ!」

「あっ……ごめ……ほのかちゃん……………………」

明日香は逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。


キーンコーンカーンコーン

「ちっチャイムかよ!後で覚えとけよ!岩本!佐原!!」

「ごめんね、ほのかちゃんまで巻き込んじゃって…」

「………いいよ!気にしないで、明日香は何も悪くないんだから!」

「うん。」


明日香は“ほのかちゃん”への罪悪感をもったまま、次の授業を受けることになった。