「え?あたしのバッグ…」
陽介が澪の机の上に乗っているバッグを抱えた。
「電車通学なんでしょ?」
「そうだけど…」
「俺もなんだよ。上り方面だよね?走んないとあと8分でくるらしーよ。」
携帯を見ながら言った。
「え…そうなの?時間ない…」
学校から駅までは、歩いて10分かかる。
「俺、駅から自転車で来てるからさ。たぶん間に合うっ!ほらっ、走るぞっ!!!!!」
「え……?」
澪の手を陽介が掴んだ。
すごい速さで廊下を走る。
「わっ!」
「あごめん。早すぎた?でも間に合わないっ」
ついていくのが大変で何度も転びそうになりながら、スポーツやってるだけあるなぁ…と思った。
急いで上履きを変えて、自転車置き場へ走った。

