そう、海藤は尾藤のクセを鏡越しに確認していたのだった。

最初の『自分が記者』と言ったウソの時、海藤は尾藤の口元が弛んだのに気付いた。
そして『ゾディアックに会った事がない』というウソをついた時、同じ異変が起きていた事に気付いた海藤はある仮説を立てたのだ。
実際は海藤は完全に見破ってはいなかったが、最後にカマをかけた。

結果…尾藤はウソがバレたと思い込み、海藤は次から有利な状態で話が出来る。
詐欺師、海藤渉。

彼は底知れない洞察力と悪知恵で尾藤との初戦に完全勝利した。