私の問い掛けにサンゴは一瞬キョトンとし、壱に向き直った。
「ねぇアンタ、千優にまだ言ってないの?」
「…あぁ」
壱の返事にサンゴは溜息を吐き、また私に向き直った。
「千優、あのね?"Win OR Loss杯"って先生から聞かされなかった?」
んー…むむー……
………ぁ、ああ!!
「そー言えば!」
「それね…実はバスケの大会なんだ」
「へ?えぇ?!」
「でね?ウチのクラスは特別な単位制度で、体育の評価が大きく左右するんだ」
それから、と続け
「優勝したペアは体育の評価が上がるだけじゃなくて旅行券も貰えるから、皆必死。もちろんアタシも!!優勝して旅行行くんだからッ」
拳を握り絞め、メラメラと闘志を燃やしているサンゴ。
もう一回最初からやるよッと言い、シンを引っ張りコートに走ってった。
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