その中で私が女の人(私を強制連行した二人)に着せられたものは―――――
「…何でコレ?」
今着ているのは上下ジャージ。
「壱様からコレを着ろという事ですので」
…そんなぁ…
こんな可愛い服がある中で何故ジャージ…
ガックリ肩を落とした。
それを見た女の人は苦笑い。
そして、壱が居る場所まで誘導して貰った。
「…遅ぇ…、早く始めんぞ」
「…ッえ?壱?その格好……しかも、此処ってもしや…」
「見りゃ分かんだろ?バスケだ馬鹿」
いや、うん。
見たら分かるよ、誰でも。
私の目の前には一面のバスケコート。
壱の格好はTシャツにバスパンで、右手にバスケットボール。
「な、何でバスケなの?」
「そりゃ―――」
「あー千優ッさっきぶり!」
壱が言いかけた言葉は誰かの声に掻き消された。
「えッ?サンゴ?!」
後ろにはシンの姿があった。
二人とも少し息が乱れているあたり、バスケをしていたという事が分かる。
「…もしかして、サンゴが朝頑張ろうって言ってたのはこの事?」
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