扉を開くと、執事さんらしき人達が縦一列に並んでいて一斉に頭を下げた。
「「「お帰りなさいませ、壱様。ようこそ、千優様」」」
…って、何この扱い!
初めて見た光景に、私は異世界に迷い込んだ感覚に陥る。
私も皆さんにペコッと頭を下げた。
年上の人に敬語で喋られるなんて、身体がむず痒い。
毎日こんな出迎えされてんのかな…?
そうだったら、私には耐えられない。
まあ一生縁の無い事だけどね。
…なんて、自分の世界に入ってる内に話は勝手に進んでたみたいで。
「じゃあコイツに動きやすい服一式用意して」
「――はい、畏(カシコ)まりました。では、千優様。コチラに」
「え?は?ちょっ…何処行くのー!?」
…二人掛かりで両脇に手を入れられ、ズルズルと引っ張られ連れて来られた場所は…、
「…衣類室?」
服が沢山ハンガーに掛けられている。
バリエーションが豊富で何着あるんだッ、て程多い。
中にはコスプレっぽいものから、ドレスみたいなものまで。
.

