‘リーダー’は『ゴホン』と一咳おき続けた。


『皆さん、規律ある学校生活を送るよう、この学校に相応しい行動をとって頂きたい。』


この言葉はぁたしにむけられたものかもしれない。


いや、皆さんの中にぁたしも入っているのだからあながち間違いではないのか…。


『ぁなた!!名前は!?』


小声ながらも強く、そして何より焦りながらぁたしに近寄る司会者らしき女の先生。


『です。』


小声の先生につられ、さすがのぁたしも小さく名乗った。


だがぁたしの目は女の先生ではなく、共に新たな時間を過ごしていく大勢の生徒の方にあった。


そして彼・彼女達の目も何だか騒がしいぁたしの目とよく合っていた。


『…よりによってあんなとこ……』


女の先生は何やらプリントに目をやりながら呟いた。


『あなたはあの席よ。静かに素早く行って!ほら!』


女の先生が差した席はなかなか中央的なとこであり、進む事に困難を極めた。


『あっすいませーん、通りまーす。あっ申し訳ない』


たくさん謝りながらも、同じ列のクラスメート達の顔を覗き見しながら進んだ。


そういえば、女の先生の『しーー!!』という言葉が後ろから追ってきたような…。