『ねぇ、あんたはあいつの事好きなん?』


そう言ったのは数少ないタメの部員で他の子とは少し毛色の違う子だった。


あいつとは仲のいい幼なじみのこと。


ぁたしは、関わる人に必ずその質問をされる。


『うん、スキだよ』


間違いではない。


『おっ正直に言うね〜。だからマネになったの?』


彼は続けた。


『それは別。しかもマネになる時あいつのことなんか頭にもなかったよ。』


それも事実。


『ウソだぁ』


彼は疑いの目をあたしにむけたが、


『ぁたしの中でなくてはならん奴やけど恋愛じゃないから』


そう言うと少し面白くない顔をして部屋へ戻った。



いつも思う。


どうして大事な人=恋愛対象じゃなくちゃいけないのだろうか。


‘何で皆には伝わらないのかなぁ…’


そう思ったあの頃。


そして大人になった今もその思いは何も変わらない。


マネージャーになったのは誘われた以外、他にない。


むしろ軽率すぎて他の理由がほしいぐらいだ。