「…」
駄目だ。話せない。
とにかく何か話さないと…。
「今日は来てくれてありがとね。すごいうれしいよ。」

「こちらこそ、男の人の部屋初めてなんで緊張してしまって…」

「でも、同じだよ。女の人を部屋にあげるの初めてだよ。」

「えっそうなんですかぁ直哉さんの初めてをあたしがもらえてうれしいです。」
琴佳は微かに笑って喜びを表してくれた。

笑顔もかわいい。

二人はこのあと、たわいもない話しを楽しんだ。

気が付けば外は太陽が眠たそうに沈む時間になっていた。

「レンタルビデオみるっていってたよね。借りに行こうか?」

直紀は琴佳に声をかけ、家の近くのTSUTAYAへ向かった。

その時、琴佳が不意に僕の腕に触れてきた。
照れてることがばれないように僕はそれを受け止めた。琴佳から香る甘酸っぱい香りがより僕をドキドキさせる。
恋してる…。
僕は琴佳に恋してる。
直紀は
自分のこの気持ちを
溢れる気持ちを
今日絶対に伝えると
心に言い聞かせた。

二人で腕を組んでTSUTAYAに向かい、レンタルビデオを選ぶ。

「何をみようかなぁ。感動系がいい?」
レンタルビデオを女性と選ぶなんて初めてだったから