最愛な君へ捧げる愛の詩

天気予報通りに窓を開けると日差しが眩しいくらいの晴天だった。
秋のわりには、夏はまだ諦めていないように、暑い。しかし、暑いのは天気だけではないな。とふと直紀は呟いた。
琴佳は10時頃に家にくるらしい。
部屋は昨日の内に綺麗にはしたが、落ち着かずに、もう一度、掃除機をかける。
ピンポーン
ドアのベルがなり、モニターに写る琴佳の顔を確認し、ドアを開ける。

ドアの前にいる琴佳はスケルトンの柄の入ったロングシャツに赤と黒のチェックがらのスカートにロングブーツを履いていた。

「この部屋すぐわかったでしょ?」

沈黙は避けたい直紀は
最初に琴佳に声をかけた。
「は…はい。」
とても緊張してるのがわかるような小さな声で返事をした。

しかし…
緊張していたのは、琴佳だけではなかった。
久々のデートで、手が震えているのが自分でもわかる。
到底、琴佳の隣に座るなんてできるはずがなく、僕は椅子に座り、落ち着かない気持ちを紛らわすように、マイルドセブンのスーパーライトを2本吸った。
いやいやこれはまずい…。直紀は自分に警告音を鳴らす。