二人の自己紹介が終わった所で、静まり返っていた教室が弾けたように騒ぎだした。ほとんどの女子は二人に魅了されてしまったらしく、濯兎くんが良いやら、遙くんを狙うやら、思い思いに言葉を弾ませる。しかし、それは私にとってはどうでも良いことだった。

二人って、名前あったの…?
悪魔とか天使ってのが名前みたいなものだと勘違いしていたのか、申し訳なくなって恥ずかしくなった。とんだ勘違い野郎だ。私は。

先生はやれやれと首を振ってから、興奮しているクラス全体を制して、悪魔と天使の机を指した。それで私はまた目を丸くする。
だって、そこは私の左隣とその後ろだから。

これが神様の仕業だっていうなら、もう私は神様を恨まなければならないなと、机に突っ伏して腕に額を押し付けた。