「聞いた?聞いた?なんか転校生が来るらしいよ」
「なんか二人だってね」
「どっちもイケメンだって」


校内は今、ある噂で持ち切りである。その転校生というのが……


「う、なんか、みんなこっち見てない?」

「なんか歩きにくいなー、まだ教室着かんのん?」


そう、この二人なわけで。

昨日、私は結局天使とも右目を契約して、二人は一安心、って感じだった。
で、私は知らなかったんだけど。
契約をしたってことは、もう下の人がその存在を認識できる、分かりやすく言うと実体化したってことらしくて。
二人は、私の学校に転入生として通うことになった。


「なんでこんなことに……」

「ほら、俺ら契約したんやから楓のこと守らなアカンやん?契約主死んだらリンク解除されてまうし。なんや、二人の騎士(ナイト)に守られてると思えば」

「悪魔と天使はナイトではないと思います」


天使はかなりおしゃべりだ。そんなマシンガントークを遮って、あくまで冷静にツッコんだ。


「大体、国籍だってないだろうに、どうやって……」

「んなもん簡単やがな。なあ?」

「うん。神様がいるからね」